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えびぞうの文化系趣味のブログ。気のむくままに更新します。
by t-ebizou
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壽初春大歌舞伎

14日に、松竹座の「壽初春大歌舞伎」の夜の部に行ってまいりました。
今回は友達が着いてきてくれました。おおきに、えりんこさん。
まず高島屋の地下でお弁当を調達。
都会のデパ地下って、なーんてステキなんでしょう!
どれもこれもおいしそうで、本当に迷いました。
やっぱり歌舞伎観てイタリアンの気分にはならんので、私はおこわと豆腐ハンバーグの
お弁当、えりんこさんはいなり寿司を購入。
デパ地下ですでにテンション上がり気味です。
幸せな我々・・・

夜の部一幕目は、歌舞伎十八番『毛抜
これはコメディーでしょう!普通に笑えます。
市川海老蔵がヒーローの粂寺弾正役で、悪い家老をやっつけます。
でもヒーローなのに、やたら惚れっぽくて(しかも男女問わず)、人様の
家の給仕の少年や腰元を口説きだしてあっさり振られたりしているのだ!
なんか三枚目ですなあ・・・
ふられて「あちゃー」って感じの表情や仕草が凄く面白いです。
色んなところに見得が工夫されていて、豪快!
えりんこさんは歌舞伎観るのはじめてでしたが、こういうのを最初に観ると
入りこみやすいと思います。
天井に隠れる忍(?)の磁石のせいで、弾正の毛抜が動き出したり、
姫の髪の毛が逆立ったり、他の演目ではありえない科学的(?)なストーリーですね。
一幕目にはぴったりな楽しい演目です。
ちなみに、海老蔵の衣装は、「寿」の字をエビっぽくアレンジした模様や
家紋が入った、市川家の人間しか着れないもので、とても華やかでした。
さすがだぜ!

ニ幕目は仮名手本忠臣蔵九段目『山科閑居
いきなり九段目観てもわからんから予習をしときなさいとY氏に言われ、
一応あらすじを読んで行きました。仮名手本忠臣蔵、こんな話だったのか・・・
今まで全然わかってなかったよ。九段目は格調高い作品です。
坂田藤十郎が戸無瀬、団十郎が大星由良之助。
背景は小雪の舞うモノトーンの世界なので、小浪の婚礼衣装が映えます。
あまり動きのない演目なので、少々眠気が・・・
これは戸無瀬が重要な役どころで、藤十郎がばっちりはまってます。
刀持ってるとこなんか絵になりますね~。緊張感があります。
しかしこういう話にでてくる人は、なんですぐに死のうとするのか。
それで、団十郎がなかなかでてこないわけですが、出てくるの遅い上に
あんまり喋らない役なんですね~。どっしり構える役どころではありますが、
せっかくなのでもっとセリフ多い役をやってもらいたかったなあ・・・
加古川本蔵ぐらい喋ってほしかったわあ。
多分昼の部の「勧進帳」で頑張ってるので、夜の部は大人しい役にして
疲れすぎないように調節してるんでしょうね。
海老蔵だって、「勧進帳」ではあんまり喋ってないけど、「毛抜」で頑張ってるもんね。
九段目は静かな演目ではありますが、最後は本蔵は息を引取るし、由良之助は
旅立って行くので、全体のストーリーの中ではなかなか重要なところです。
独立して上演されることが多いというのも納得。
最初が特に静かなのでちょっと眠くなりましたが、配役もいいし(我當の加古川本蔵
はなかなかはまってたように思います)、格調高いし、美術的にも美しいので、
観といてよかったなあと後でじわじわと思いました。

三幕目は『藤娘』と『供奴
これは舞です。ニ幕目のモノトーンの世界から、いきなり春の華やかは
舞台になって、幕が開いたときにお客さんがちょっとびっくりしてました。
そりゃあれだけ変わったらびっくりしますよ。
美術さん、頑張ってるなあ・・・
舞ってねむいものかと思ってましたが、ところがどっこい!(古!)
藤娘、めっちゃかわいいんですよ~!恋してる藤の精(多分)の舞です。
衣装が何回かかわるのですが、多分最初から重ねて着てるんですね。
太くみえないように、一番上に着てた着物の柄は、細くすっきり見えるような
ものにしてありました。帯にも藤の模様が入ってるし、舞も衣装もとにかくかわいい。
何が凄いって背景が凄いんですが、藤の花がすごく誇張してあります。
大きな藤をたくさんつるすことで、藤の精を小さくみせようという演出なんだって。
へええ~、工夫してありますねえ。「毛抜」でも、動く毛抜は大きく作ってありました。
藤娘では、最初はかわいらしい舞ですが、藤に酒を飲ませたりして、
だんだん艶っぽい雰囲気になっていくのがまた見所です。

供奴では、また舞台ががらりとかわって吉原です。
だんなとはぐれた奴が、だんなを探しながら廓に来たという設定。
だんなの自慢や、そのだんなに仕えてる自分の自慢をしたり、廓で羽目を
はずしたりと、陽気な奴がかわいらしい!
途中で衣装が赤にかわって、さらにテンション上がってます。
奴は足元がよく見える衣装なので、足さばき、足拍子が見所。
リズミカルで楽しい舞です。
しかし足拍子を踏みまくりなので、かなり体力ないと辛い舞だと思います。
役者さんは普段から足腰鍛えてるんだろうなあ。
ニ幕目が落ち着いた話だったので、こういう愉快な舞をみると
楽しい気分になって帰れます。
何から何まで考えてありますねえ~

やっぱり歌舞伎は観れば観るほど楽しいですね~
今年も結構観にいっちゃいそうだわ。
それにしても、なぜ若手役者のブロマイドを売ってないのか!!
それだけが不満です・・・
by t-ebizou | 2007-01-16 00:13 | 観劇・鑑賞