色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
昨日村上春樹氏の3年ぶりの新作をゲットし、今日じっくりと読みました。
前作から3年もたってたということにびっくり。
時間がたつのが早過ぎです。
久々の新作は「1Q84」とは打って変わって地に足の着いた内容。
ファンタジー感はゼロで、かなり現実的です。村上氏の作品としては
結構珍しいですね。
最近「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を読んだので
余計にギャップを感じました。
現実的ゆえに、村上作品を読んだことない人でも面白いと
思えると思います。
36歳の多崎つくるが過去の人間関係のわだかまりを解消すべく
かつての親友たちの元を訪れる(これがタイトルの巡礼とかかってくる)
というストーリー。
自分にこれといった個性がないことにコンプレックスを抱いてきたけれど、
かつての親友たちと再会する中で自分の存在価値を肯定される主人公を
みていると、こちらまでカタルシスを感じるような・・・
人と真剣に向き合うって勇気のいることだし、向き合ったからといって
壊れたものが元通りになるというわけでもありませんが、前進していく
ためには勇気を振り絞って立ち向かうことも必要なのですね。
面白く読みましたが、欲を言えば、灰田君の事情についても書いてほしかったなあ。。
感想を書くのが苦手なのでとりとめもない文章ですが、村上作品未体験の
人にも取りかかりやすい内容だと思うので、みなさまもご一読ください。
ついでに最近買った写真集を。
タイトル通り、美しい鳥の写真集。
表紙の鳥は、人が染めたんじゃなくて元々こういうカラーなのです!
凄い色彩!!!
アフリカ南部に生息するライラックニシブッポウソウ
という鳥なのだそうです。
切り絵のモデルを探そうと思って買ってみましたが、
どの鳥も色とデザインが凄過ぎでとても切り絵になんてできません・・・
自然のデザインって、人間の発想を軽く超えてますよね。
自然、偉大なり!!
by t-ebizou
| 2013-04-13 19:44
| 読み物